フィラリアとは
犬の心臓から肺の血管に寄生する長さ17〜23センチの虫の名前です。
フィラリアはここで生まれます。

この頃は、まだ目に見えないくらい小さいのでミクロフィラリアと呼ばれ、
毛細血管の中を自由に通過し、血流に乗って全身を泳ぎまわります。
このミクロフィラリアは犬の体の中ではこれ以上成長せず、
蚊が血を吸う時に一緒に蚊の中に入りそこで幼虫にまで成長します。

その後この蚊が再び犬を吸血するときに犬の体に侵入するのです。
犬の皮膚の下に潜り込んだ幼虫は筋肉や皮膚の中を成長しながら移動し、
血管に入り血流に乗って心臓を目指します。
2〜4ヶ月で心臓に達した虫はおよそ2cmの大きさにまで成長しています。

その後心臓の中でさらに成長し成虫となったフィラリアはすでに長さ約20センチと大きく、
心臓から肺の太い血管の中をうろうろしています。これが犬フィラリア症の原因です。

フィラリア症とはフィラリアが寄生することで起こる一連の症状を言いますが、
もっとも恐ろしいのは、大動脈症候群(ベナケバシンドローム)です。
これは、心臓の中の部屋を分けている弁に絡まってしまうことで起こり、
呼吸困難・突然死を引き起こします。

そのほか慢性的にフィラリアが寄生していることによって肺高血圧となり、
腹水・呼吸不全・心不全などのさまざまな症状を引き起こします。
いずれも、症状が出てしまうと完治することが難しく致死的な状態を引き起こしてしまいます。

ここで大切なのがフィラリア症予防薬です。
皆さんが毎年行っているフィラリアのお薬とは、実はミクロフィラリアの駆虫薬なのです。
フィラリア症を引き起こすフィラリアの成虫を体から取り除く方法は、大きく分けて二つあります。

ひとつは内科療法で、成虫駆虫薬。
これは成虫を殺すことのできるお薬ですが、非常に副作用も強く、
多くのフィラリア症を抱えた老犬には厳しい治療になってしまうことも少なくありません。
もうひとつは外科的に首の血管から心臓へ器具を挿入し、直接取り除く方法。
しかしこの方法は虫が残ってしまうため、内科療法との併用が必要になってしまいます。
このように成虫を取り除くことは非常に難しいため、
副作用の少ない薬で心臓に達する前のミクロフィラリアを駆虫し
フィラリア症を予防しているのです。

大切なことは
・フィラリアは犬から犬へと感染することはなく、必ず蚊を介して感染する。
・フィラリア症は重篤かつ急性の疾患であり致死的であること。
・フィラリアの薬とはミクロフィラリアの駆虫薬であり、
 蚊がいなくなってから一ヶ月後の予防薬まで確実に飲ませなければ
 フィラリア症は予防できない。



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